1.はじめ
コロナ禍をきっかけにウェビナーやオンラインコミュニティが盛り上がったのでは言うまでもありません。JFM(マニラ)やその他機関が運営している日本語教育コミュニティはありますが、それぞれ元々オフラインのコミュニティとして存在していたものです。オンラインからスタートする日本語教師コミュニティはおそらくNPが初だと思うので、色々な可能性があると信じ、楽しみにしています。
ちなみにNPはNihongo of the Philippinesを略したものです。由来はフィリピンの最高学府と言われているUniversity of the Philippines(フィリピン大学)=UPからです😂シンプルで、どんな専門性を持つ集団なのかが分かるようにしたかったので、こうなりました。
2.発足理由
①日本語教育の底上げ(教師の指導力)
日本で日本語教師になる場合、基本的に、日本語教育能力検定試験、日本語教師養成講座、日本語教育主専攻/副専攻のどれかを持っている必要があります。すなわち日本語教育について学ぶ必要があります。
ただし他の海外も含め、現地の人が日本語教師になる場合は、JLPT N3だから教えてるとか、日本語力で日本語教師になることがほとんどだと思います。すなわち日本語教育について学ぶことないということが、日本人日本語教師との違いです。
TESDAという多業種の研修を行う研修機関があります。そこで「日本語」の先生の免許?資格?研修修了証?が取れるようですが、信憑性は不明です(個人的には制度上存在するだけで、技術が身に付いているとは思っていません)。研修する人は日本語教師のプロなんですかね🧐(今度調べてみます)
②フィリピンにいる日本語教師同士でのつながり
フィリピンで教えているということは基本的に学習者はフィリピン人です。一般的に日本語教育を学んだり、国内外問わず日本語教師とつながりを持ったりするよりも、即効性のあることが学び合えると思います。
上述したように他の機関でのフィリピン日本語教師コミュニティもありますが、横断的な関係性のある(横のつながり)コミュニティではない気がしてます。あったとしても割と上のポジションでしかそういったことが行われていないと思います。そういうコミュニティにいる場合、一参加者(=末端)として自分の経験や意見が共有されないことがほとんどです。経験や意見の良し悪しはポジションや年齢に関係がないことは確かです(良し悪しという言い方が適切か分かりませんが、平等であるべきだということです)。一方的な情報提供ではなく、お互いに情報を交換ができる場所を作りたいと思ったのも理由の一つです。(#Zoomでハナキン みたいな)
なので私が発足人だと威張るつもりは全く無いですし、むしろ私のほうが参加者から学ぶことが多い気がします。ファシリテーターとして運営をしていく上で必要なことは、言い出しっぺなのでやりますが、みんなで作っていくコミュニティを目指しています。
ただ私の経験上、そこにいること自体が目的になってしまう先生も多いと思っています。そうなってしまうと、みんなで作っていくコミュニティを作れなくなるので、そういう部分にも気を遣ってファシリテートしていきます。
3.アンケートの結果(2020/12/10-20 フィリピン人日本語教師16名回答)
①学びたいこと
一番多いのは、「学習ストラテジー」と「教授法・指導法」です。これは予想通りでした。みんな日本語教師であると同時に日本語学習者でもあります。なので学習ストラテジーに関しては、学習者として学びたいのか、教師として学びたいのかは疑問です…。ただNPは日本語教師としてのコミュニティなので、後者を期待しています(しかし何をどう学ぶかはもちろん個人の自由ですし、NPのモットーでもあります)。
②参加者のNレベル
やっぱりNPでの共通言語は英語かタガログ語が現実的でしょう。NPは日本語を勉強するコミュニティではないので、共有された理論やアイディアを理解する方が重要です。JFMのウェビナーには数回参加しましたが、参加した回は全部日本語でした。個人の経験からみても、フィリピンではN3〜で日本語の先生をやっている人が多い印象です。
N3のレベルで日本語で日本語教育や言語習得等の理論を説明されてもきっと理解できないでしょう(学習言語能力がもっと難しいことは確か)。もちろん個人差はありますが、何言ってるのか分からない、何も学べなかったという事態は避けたい(というか、それだとやっても無意味)ので、やはり共通語はタガログ語か英語になると思います。
③参加者の地域(フィリピン国内)
今のところ半数以上が首都圏内です。フィリピンは3つの大きな島で成っていますが、マニラから一番離れた島(ミンダナオ島)からの参加者もいます。これはオンラインの強みですね。現に私も今日本からこのコミュニティを準備していますし、日本から参加しているフィリピン人(国費留学生)やマニラと同じ島ではあるが少し離れた地域から参加している人もいます。今後はもっといろんな地域から参加者が増え、フィリピン国内における日本語教育関連の情報の偏りが無くなるといいなと思います。(オフラインでこれを開催したら、首都圏には情報があつまるけど、Angeles City(グラフ左端、一人)には情報が集まらないですからね)
4.まとめ
コミュニティ内のメンバー同士での活動はもちろんですが、いつかはメンバー外の人たちとも繋がれる機会も作れたらいいなと考えてます。例えば…
- 海外(フィリピンから見て)で働く日本語教師をゲストスピーカーとして呼ぶ(英語、タガログ語が話せる人がベター)
- フィリピン大学の日本語教師や言語学者をゲストスピーカーとして呼ぶ
- 各国の日本人日本語教師との交流会、勉強会 等
個人ではこれまでできなかったことが、このコミュニティを通してそれらを経験できる場所にしたいです。フィリピン人の日本語の先生は一生懸命です。しかし私達日本人日本語教師とは違って、日本語教育に関する情報が理解可能なものとして十分に共有されていないことが問題だと思っています。その情報格差が解消されれば、フィリピンの日本語教育のレベルも格段に上がると思います。
すでにあるコミュニティにお願いするのも手段としてあり得ますが、それぞれの理念があると思うし、不本意に意味を取られて文句ばっかうるさいな〜と思われるのも嫌なので、自分でやろうと思った次第です。
運営していく上でみなさんにアドバイスを求めることがあると思うので、その時はお力添えをお願いします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます🙇♂️
(NP発足準備リスト)
・アンケート結果分析
・第一回(初回)プラン
・ホームページ作成(多分Googelサイト)
・Facebookグループ作成
・2月開催JFM主催日本語スピーチコンテスト優勝者輩出計画
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