1.はじめ
下記の動画について書いていますので、その動画を見てから読んでもらえると本記事の内容が入りやすいと思います。
留学生に寄り添うコメントがほとんどですが「自業自得」というコメントもいくつかあったので、そのコメントをした人たちに物申したいと思います。
2:十分に説明されていない可能性がある
アジア圏内の発展途上国は、日本に対して漠然としたすごさを感じている人が一定数います。というかそういう人がいるから、日本語を勉強する人がいるし、日本で働きたいという人がいます。もちろん最初の段階では、外国に住むことの厳しさ、日本での生活、各種制度のルールについては意識していないでしょう。
「楽に儲かる」「楽に夢が叶う」系の話には罠があるというのは世の常ではありますが、受け入れ先も、その間にいる人や業者は、その夢を持っている人たちにその事実と理由を伝える義務があります。
例えば、
日本での生活費
総務省の最新の発表(2020年7月〜9月期)によると、単身世帯の生活費は143,059円となっています。(ソース)
アルバイトは週に28時間まで
厚生労働省の最新の発表によると、全国平均時給は902円となっています。(ソース)
28時間/週×4週=112時間
112時間×902円=101,024円
この時点で生活費を下回っています。
しかし実際は経済的補助をする制度があったり、スポンサーがいたりするので、生活費の中に含まれている家賃や光熱費等は支援してくれたりします。しかし余裕がある暮らしとは程遠いのは事実です。
一日の流れ、スケジュール
私が勤めている学校で実際に送り出した、某新聞社スポンサー制度で日本の日本語学校に通っている学習者の例を出します。(週28時間の時間調整有り)
午前2時〜午前5時半 朝刊配達
午前9時〜午後2時 学校
午後3時〜午後5時 夕刊配達
午後6時〜午後9時 学校
はっきりとした時間は覚えていませんが、流れとしてはこんな感じです。もちろん送り出す前というか、うちで来日前研修(日本語)を開始する前段階で、書面でも口頭でも何度も説明して、保護者にも説明して、説明会も開いて、本当にやるんだね?と何度も本人の意思を確認します。
ちなみにフィリピンは家族間の関係が強く(だから成人してても保護者にも説明します)、海外で働く子どもたちには自国に送金をお願いするのが普通です(OFWといいます)。ただこの制度で稼げる金額というのは本人が日本で最低限の生活をするためのものであって、送金するためのものではないということも口が酸っぱくなるほど言います。
そのため幸いにも動画に出てきたような人はいません。大変だけど、それぞれが夢を叶えるために一生懸命、楽しく日本で生活しています。
3.良いところしか言わない
罠をしかける受け入れ先や間にいる業者は、上述した内容をきっとひた隠しにしているのでしょう。
・日本に行けば、〇〇万円稼げるよ!
・〇〇なチャンスがあるよ! 等
まあ誘い文句として一番使われるのは、間違いなくお金でしょう。
日本に留学生として行った場合、月に稼げる金額は上記で出した通り約10万円でした。日本人から見ればたった10万円と思う人もいるかもしれませんが、発展途上国の多くの人々にとってはすでに大金です。
前に知り合いのフィリピン人(公立学校の先生)に給与明細を見せてもらったことがあります。5万円/月くらいでした。もちろん業種によって差はありますが、金額に対する感覚は日本人と全く違います。それを逆手に取っているということです。
でも視野をもう少し広げると、10万円とか、週28時間と説明してくれるところはまだマシかもしれません。もっと悪徳なところは20万とか30万とか提示したりします。自分に本当に近い人でも契約書には20万円以上って書いてあったのに、実際は月8万円しかもらえなかった人もいます。
4.自業自得、自己責任の可能性もある
もちろん全部が全部そういう訳ではないです。しっかりと夢を応援する受け入れ先も業者がいるのも事実です。
勉強しに日本に行った(在留資格も留学生)のに、全然勉強しないで、アルバイトに没頭して、ダメだと分かっていながらも、もっと稼ぎたいから週28時間以上働いてしまう人もいるでしょう。そしてその結果帰国を余儀なくされてしまう。
その場合は完全にアウトです。何事も自分のやりたいことに対して一生懸命なのは素晴らしいことですが、法律を犯していいという理由にはなりません。
5.まとめ
繰り返しになりますが、悪徳な受け入れ先、業者がいるのは周知の事実です。その存在を無視して、一生懸命頑張っている彼らを決めつけるのは良くないと思います。
目先の金につられて、夢を持つ人たちを騙す行為は到底許されることではありません。
都会を中心に深夜のコンビニや居酒屋等で外国人店員をよく見かけますよね。みんなそこに直接就職して日本に来たわけではありません。夢を持ってきているのです。
誰がなんと言おうと、私は彼らを応援します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます🙇♂️
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