1.はじめ
先週の土曜日にJFM(Japan Foundation Manila)主催のフォーラムに参加しました。準備の段階から丁寧にマンツーマンで指導していただいた専門家の方には本当に感謝しています。
フィリピンの日本語教育に携わる一員として、今後も積極的に動いていきたいと思います。
今日のブログでは、プレゼンの内容で特に伝えたかったことと、フィリピンの日本語教育に必要なことの2つにフォーカスして書いてみたいと思います。(フィリピンの日本語教育目線で書いてるので、日本人日本語教師にとっては当たり前のことばかりかもしれません)
あ、発表資料もスピーカノート付きで共有します(ゆっくり話せ!とか私の発表裏側も見れます笑)
スライド(訳:反転授業と自律学習):https://bit.ly/341Xz7s
2.プレゼンの内容で特に伝えたかったこと
教材は一つではない
オフライン授業のときは携帯をいじっちゃダメっていうルールがあったり、そもそもデバイスがなかったりでリソースが先生またはそこにある教材だけのことがほとんどでした。
オンライン授業をオフライン授業のただの代替だと思っていると、せっかく素晴らしいリソースがオンライン上にあるのにそれらを使わないで、オフライン授業でやってたようにやってしまいます。これは相当な機会損失だと思います。
自律的な学習者を育てる大切さ
これをやらないと結局大変なのって先生だし、体は一つしかないので学習者の学習に関われる程度には限界があります。教師が学習者に関わる程度で学習者の伸びが左右されるなら、クラスが終わったらどうなるんでしょう。
言語学習は一回で完結するわけではないので、長い目で見た学習が必要です。そのためにはもちろんクラスが終わって、先生の手から離れても自分で勉強できるようになっている必要があります。
Googleはその支援をしてくれません。なぜなら自律するためには様々な要因が絡み合ってるからです。その細かい要因や個々の事情に対応したり微調整できるのは私達教師ができることだと思います。
だからセルフアセスメントで各学習者の学習者状況、コメント等を集めたり、1on1ミーティングで話を聞いてあげたりする重要性についても、私の実践として当日提案し、強調しました。
教師は学習のプロセスを支援する人
ここまで話してきたこと全ての根底にあるのはこれです。
学習者の学習プロセスを支援するためには、リソースに制限をかけては限界があるし、自律を支援するためには学習プロセスそのものに働きかけないといけません。
知識を与えることに関してはGoogleが担ってくれるし、知識量で勝負しても絶対勝てないです。
もちろん先生が情報(知識)を与えることがありますが、知識を伝達しているのではなく、プロセスを補填していると思うと、受け手(学習者)がもらう刺激や反応(次の行動)が変わると思います。
すでにきれいな景色(リソース)は揃っているので、良い旅行(学習プロセス)をするのに必要なのはレールだけです。そのレールを整備したり、壊れたときに修理するのが先生だと思っています。もちろんその運転手は学習者自身です。
学習者の人生における主人公はその学習者自身なので、思いっきり活躍できるようにサポートしてあげたいですね。
3.フィリピンの日本語教育に必要なこと
日本人間で共有されている日本語教育の情報
当日、参加者から反転授業はオフラインでもできますか?のような質問がありました。おそらく日本人日本語教師は聞かないであろう質問だと思います。もちろんこの質問一つでフィリピン全体の日本語教育を評価するわけではないですが、日本人日本語教師よりも情報が共有されていないのは確実です。
逆の例を出せば、国際的に英語で発表された何かが遅れて日本に入ってくる感じです。
日本語で共有されていることは、誰かがその国に受け入れられやすい言語で持っていかないと広がらないのは至極当然のことだと思います。
じゃあフィリピンだれやるの?と思って、勝手に使命感を感じたので、これからは私もやってみたいと思っています(だから最初のところにとりあえずDeepLを置いてみました)。
トップダウンをボトムアップに
フィリピン社会は基本トップダウンです。私はフィリピンの語学学校で働いていますが、フィリピン人スタッフ間の仕事の仕方を見てて、そう感じてるし、役所系なんかも基本上から目線です。
そういう社会なので、教室の中もやっぱりそうなりやすいです。先生が上で学習者(生徒等も含め)が下という構図がまだまだ一般的です。
だから学習者の意見を吸い上げて授業をデザインしたり、学習者と対等に寄り添って支援するっていうのが苦手?というか慣れていないと思います。
自律学習と軍隊式は相反するものなので、これはどうにかしないといけないですね…。
4.まとめ
今回のフォーラムを通して、私達日本人日本語教師が知っている当たり前がフィリピンの日本語教育では当たり前ではないということに気が付きました。
他の発表者が自律学習にもっとフォーカスして発表していましたが、参加者のほとんどはおそらく初めて聞く内容だったと思います(または聞いたことあってもあまり気にしていなかった)。
どちらにせよ、今回のフォーラムに参加した人たちがアップデートされたことは確実です。ただこのフォーラム自体は1年に一回しかないので、ブログなどを通じてフィリピン人日本語教師たちにも情報が頻繁に届けられるようにがんばります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます🙇♂️
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