支援（教育）ってそんなに簡単なの？

１．はじめ

昔TVでやっていた「マネーの虎」の令和版「令和の虎」というYoutubeチャンネルが好きでよく見ているのですが、今回は「フィリピン人人材を派遣したい」という志願者が出ていたので、いつもより目を凝らして見ました。

本記事ではこのYoutubeを見た感想と、僕自身日本語教育を通じて人を支援する業種に就いているので色々思ったことを書いていきます。

２．志願者の感想

まずポジティブなことから言うと、フィリピン人を支援したいとか、そのために「令和の虎」に出演するという行動力は素直に素晴らしいなと思いました（僕は「出てみろ」って言われても今は出れる勇気も準備もできてないので）。

ただ正直なところ、よくいる典型的な人だなと思いました。

志願者くらいの年齢まで日本で長年仕事してきて、紆余曲折乗り越えて、今回の志願者は独立もした（社長になった）経験があって、発展途上国の人と関わったりすると、彼らを（簡単に）救えると勘違いする人がよくいたりします。

３．支援することってそんな簡単なことなの？

支援と書きましたが、教育を通した支援と捉えてもらえるとありがたいです。

今回の志願者は日本語を教えたことがあると言ってましたが、やっぱり難しくて断念してしまったようです。おそらく「日本人だから日本語くらい教えられるだろう」と最初は思っていたんでしょう。

誰かをサポートしたいと思う気持ちはとても大切だし、そこに善悪はないです（むしろ素晴らしい心意気だと思います）。ただ、誰かをサポートするってそんな簡単じゃないことだと思います。特に、教えて育てる、すなわち「教育」はそんなに簡単なことじゃないです。

発展途上国の人に対する教育を簡単に考える人がいますが、どうしてなんでしょうね。日本人に教育できない人がなんで発展途上国の人が相手になると教育することができると思い始めるんでしょうね。僕の中ではすでに自論があって、きっと自分たちのことを彼らより全体的に優勢だと思っているのではないかと考えています（本人たちが気づいているかどうかは別）。もしそう思ってないとしたら、なぜスキルもない素人が気持ちだけで人を育てられると思うのでしょうか。同じようなことを日本人にもするんですかね？もし気持ちだけで教育できるのであれば、免許も資格も何もいらないはずです。

４．気持ち＋α

僕は中学校の担任の先生がきっかけで、人の人生にきっかけを与えたり、関わりたいと思い先生という職業を目指しました。その気持ちは今も変わらず、日本語教育を通じて、他人の人生に関わらせてもらってます。

気持ちだけでうまくいくなら、僕は高校も大学も行かなかったはずです。教育をする上で必要なことは、気持ちとその専門性やスキルです。

専門性やスキルが欠けると結果中途半端な支援しかできず、ただの自己満で終わったり、最悪、思ったようにならなかったのはアイツらのせいだみたいな人種攻撃に走ることもあります（実際にそういう人何人も見てます）。

５．まとめ

僕は真剣に教育について考えていますし、いつか僕も教育を受けられない子どもたちに教育を与えられるようなシステムを作ったり、動いたりしたいと思っています。だからそれらがちゃんと達成できるように勉強もするし実践もします。

今回の志願者を見ていて、全体的にあまりにも考えなさすぎて正直憤りを覚えました。人の話を遮ったりする場面もいくつかあったし、曖昧な回答もいくつもあったし、個人の経験論に加えてフィリピン人と比較して日本人（自分）優勢という考えがどこかにあるんだろうなと垣間見えました。そもそも人の話が聞けない人に俺の話聞けっていうのも矛盾してます。教育は一方ではなく、相互でのやり取りがあって成り立つと思っています（むしろ最近では「聴く」が大事なってきてますよね）

文化や国民性に上も下もないです。上下を決めてるのは自分の中で日本が基準になっているんでしょう。勝手なものさしで上下を決めて、俺らの方が上だから教育してやろうなんて教育でもなんでもなく、植民地支配の同化政策のようなもんです。

スキルを持ち合わせたプレーヤー（専門家）を見つけて協働すれば機能するかもしれませんが、人の話も聞けない人は専門家の話も聞かずに、自分があげたいものだけあげて、結局自己満で終わるんだろうなと思います。

僕は教育についてちゃんと考えられる人と一緒にやっていきたいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。